イスラエルのウェラブルデバイススタートアップまとめ
iPhone発売10周年となる2017年。どのような仕様になるか様々な憶測を生んでいる「iPhone 8」(仮) ですが、これから10年後もスマートフォンが存在しているかは定かではありません。
そこで今回は次に我々の生活において必需品になるであろうテクノロジー・ウェラブルデバイスの現状と関連のイスラエルスタートアップを紹介していきます。
既存のウェアラブルデバイス
近いうちに大きな市場が生まれると言われ続けていながらも、Apple WatchやFitbitなどいまいち一般的な生活に浸透していっていない感のあるウェラブルデバイスが現状どのようなものあるのか見ていきましょう。
(引用元:amadeus Tips for Leveraging Wearable Technology in The Travel Industry )
(引用元:hillcrestlabs Wearable Device Makers to Enjoy Higher Performance and Faster Time to Market Thanks to Hillcrest Labs )
以下のことが見えてくるのではないでしょうか。
- 眼鏡、腕時計、靴などに限られている。
- 機能も情報を得る、アラートを受ける、娯楽目的、セキュリティーなど限定されている。
- 必ずデバイスと身体との接触を伴う。
- 今後、接触から離反もしくは、身体との同一化が考えられる。
- 機能面でもより多くの健康要素指数の記録、支払いや融資の基準、本人確認など人間のアイデンティティーにかかわる部分まで侵食してくると思われる。
実際、スウェーデンの鉄道会社・Swedish State Railwaysが皮下への埋め込み式チップRFID tag implants導入を発表。これでチケットを持ち歩くことなく、チケットの購入や本人確認ができるらしい。ただ、Swedish State Railwaysは電車がほとんど時間通りに来ることがなくサービスも酷いと評判の鉄道会社だそうで、「デジタル化」や「機能することは実証されている」などと主張し、懸念点など議論することなしにイメージ挽回のために導入した模様でかなり不安の残る展開となっている。とはいえ、きちんと安全性機能性利便性などが証明された暁には、普及の進む技術ではあるだろう。
以下イメージ動画
Swedish railway operator uses microchip implants as payment
ウェラブルデバイスのイスラエルスタートアップ5選
Glide
2012年設立、拠点はJerusalem, Israel。4ラウンドで計$36.5Mの資金調達。直近では2016年5月にシリーズB後のconvertible Noteで$8M資金調達。
iOS, Android, windowsのスマホ、タブレット、スマートウォッチに対応するライブストリーミングも可能な動画チャットサービス。サービスは無料でメッセージは全てGlideのクラウド上に保存され、動画などのデータが端末の容量を使用することもない。また、メッセージを消去した場合クラウドからも消去されるので、ソーシャルメディアにも残ることはない。
主軸は上記のソフトウェアサービスだが、近日Apple Watch用の自社カメラ付バンド「CMRA」を現在$189でプレオーダー中。こちらはバンドに二つのカメラが付いており、スマートウォッチでの対面のビデオチャットとユーザーの視点の映し出しどちらも容易にする。
Together - Apart (Glide App Promo)
Oxitone Medical
2010年設立、拠点はHaMerkaz, Israel 。2ラウンドで計$4.75Mの資金調達。直近では2014年9月にシリーズAで$3.85M資金調達。
元祖スマートウオッチ型パルスオキシメーター。手首からSpO2と心拍数を計測可能。データは遠隔の病院クラウドサーバーとユーザーアプリに自動的に同期される。医療現場への導入の中で今のところ最も現実的な技術かと思われる。
Wearable Devices LTD
http://www.wearabledevices.co.il/
2014年設立、拠点はHaZafon, Israel 。資金調達関連の情報は無し。
指のスナップの動作だけでスマートウォッチコントロールを可能にするスマートウォッチストラップMudraを開発。特定の指の形をすることで変化する手首の腱の動きの変化をストラップにあるセンサーで感知することでデバイスをコントロールする。
微妙な指の動きを使用して、ロックを解除したり、スワイプしたり、テキストをスクロールしたり、選択したり戻したり、音楽を再生したり、通話を管理したり、アップデートを確認したり、通知に応答したりすることができる。
OrCam
2010年設立、拠点はJerusalem , Israel 。2ラウンドで計$56Mの資金調達。直近では2017年4月にベンチャーラウンドで$41M資金調達。
盲目、視力が著しく低下した人、失読症、失語症などの人に向けたビジュアルアシスタントスマートグラス。今年3月にIntelにより買収が発表されたMobileyeのCTO Amnon Shashuaがco-founderを努める。
視界にある文字をタッチもしくは指差しすると、それらをめがねに付けられたカメラが認識し、音声で読み上げてくれる。認識不可能なものはモードを変更し、デバイスに学習させることも可能。
イスラエルのスタートアップを調べているとシリアル起業家が多い印象を受けるが、その中でもMobileyeからは良質な起業家がたくさん生まれている。イスラエルスタートアップエコシステムのいい例。
Health Watch
http://www.personal-healthwatch.com/
2010年設立、拠点はHaMerkaz , Israel 。1ラウンドで計$20Mの資金調達。直近に2017年2月にベンチャーラウンドで$20M資金調達。
遠隔医療のための最高品質のECG(3〜12リード)を服の中に織り込み、スマートフォンや標準遠隔測定システムを使用して、バイタルサインおよびアラートをユーザーに伝えるスマート衣料。Health Watchは快適でスマートなデジタル繊維衣服によって個人の健康を確保することに専念する医療技術デバイス会社。ホルターモニタリング、イベントループ録音、運動ストレステスト、遠隔医療および遠隔での心臓のモニタリング、そして将来的なパーソナライズド・メディカルに最適化されたデバイスを開発。
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